沈黙の春
- 作者: レイチェルカーソン,Rachel Carson,青樹簗一
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1974/02/20
- メディア: 文庫
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★★★★☆
もっと早く読んでおくべきでした。
そもそも、人間が「自然」をコントロールしようだなんて、傲岸不遜もいいところですよね。
自然からみたら人間なんてとるにたらない存在なのに。
害虫(って思っているのがそもそもの人間ですし)を駆除するために、殺虫剤をばらまく。確かにその瞬間虫達は死んでしまうけど、生き残るものもあるし、他の生物、土壌にその毒は蓄積される。
そして、その虫を餌としていた鳥や魚がその虫を食べることで、体内に毒が蓄積される、そして、その魚、鳥を食べる人間は。。
大体、生物が一つのシステム。そこで取り込まれた毒がすべて処理しきれるとは限らない。それは、子孫にも残されてしまうるものなんですよね。
この本の中では、そういった無差別的化学薬品による方法を批判する代わりに、自然の力を借りて虫をやっつけましょうって方法が紹介されています。たとえば、その虫を餌にする生物を他から持ってくる、ですとか。
そして、引用されていたコトバ、これが如実に僕たちを取り巻く環境、そして、僕たちが取り組んで行くべき方向性を示しているのかも知れません。
「私たちは、世界観をかえなければならない。人間がいちばん偉い、という態度を捨て去るべきだ。自然環境そのもののなかに、生物の個体数を制限する道があり手段がある場合が多いことを知らなければならない。そしてそれは人間が手を下すよりもはるかに無駄無く行われている。」